2016年12月30日

苦労の多いマリア様の人生


Screen Shot 2016-12-30 at 9.02.48 PM.png



 クリスマスカードを見ると、どれも牧歌的な美しいものですが、聖家族の実際の生活は、貧しく苦労の多いものだったのだろうと、つくづく思います。

 特に、この人口調査のための旅と、エジプトへの逃避行は、困難を極めたものだったことでしょう。
 すでに臨月のマリアが、ロバに乗って旅をするのは、どれほど疲れることだったでしょうか。

 考えてみれば当たり前なんですが、背もたれもないので、座っているとはいえグラグラ揺れるロバの背で、長時間、自分の体を支え続けなければなりません。
 (このことを黙想して、大阪から東京までの新幹線で、座席の背にもたれない犠牲をお捧げするのは如何でしょう? 私にはとても無理ですが。)

 地図を見ると、この旅路がどれほどの長距離だったかがよくわかります。ナザレトから、ベトレヘムまで、約60マイルくらいはありそうです。約100キロの道のりですよ、聖ヨゼフ様は、ロバを引いて徒歩で。

 ベトレヘムに着いた時は、疲労困憊していたことでしょう。



イスラエルの地図.jpg
新約時代のイスラエル付近の地図
上の方の青い部分がガリラヤ湖、そのそばにナザレト
ずっと南に下って死海のそばにエルサレム、そのすぐ南にベトレヘム




「神の都会」から その様子を少し引用したいと思います。

 人の目から見れば、貧しい田舎者だったヨゼフとマリアが、人々から邪険に扱われる様子に胸を締め付けられます。
 もちろん当時の人々は、マリアが神の御母とは知らなかったのですが、「この小さい人々のひとりにしたことは、私にしたことである」とおっしゃったイエズス様の言葉は、本当にそのまま当てはまっていますね。


。。。。。。。。。。。。
(引用ココから)

 当時、世界の大部分を占領したローマ帝国は、人々に税を納めさせるため、出身地に行き登録するように命じました。このことを外出先で聞いた聖ヨゼフは、悲しそうな顔で家に戻り、聖マリアに報告しました。
 聖マリアは答えました、「どうぞ心配しないでください。私たちに起こる全ては天地の王なる主により命令されています。全てに於て御摂理が私たちを助け、導いて下さいます」(シラ22・28)。

(中略)...

 二人は出発の日を決めました。聖ヨゼフは 世界の女主人を乗せるロバを探しにナザレトの町に出かけましたが、他の人たちもロバが必要なので、なかなかロバが見つかりませんでした。やっと見つけたロバはありきたりのロバでしたが、御母と御子を運ぶという大任と幸福を頂いたロバです。

 二人は旅の必要品を五日分準備しました。聖マリアは、御子の出産のための布や産着を持っていくことにしました。二人の旅姿は貧しく見すぼらしいものでしたが、永遠なる御父の無限の愛に値する御子と二人は、天使たちから崇められました。
 自然は新約の生ける真の聖櫃(ヨシュア3・16)を認識しました。ヨルダン川は水を左右に分け、二人とその後に続く天使たちに道を開けました。天使たちは総数1万位で、聖マリアには見えました。多数の太陽よりももっと輝いていました。その他に御父と御母の間を行き来している天使たちも参加しました。

 しかし、皇帝の命令で旅してきた人たちが旅籠屋に集合している様子は、聖マリアと聖ヨゼフにとり、大変不快で困らせました。二人が貧しくおどおどしていたので、他の人たち、特に富者よりも冷遇されました。どの旅館からも次から次に叱りつけられました。旅で疲れ切った二人はそっけなく断られるか、廊下の片隅か、もっとひどい所をあてがわれました。
 そんな所に天地の女主人が留まると、天使たちは最高の王と女王の周りを固め、警護にあたりました。聖ヨゼフはそのことを知り安心し、聖マリアに休むよう勧められ、その間、聖マリアは天使たちと話をしました。

 このように苦労しながら、二人がベトレヘムに着いたのは第五日目、土曜日の四時でした。

 冬至の時で、太陽は沈みかかり、夜のとばりが落ちてきました。二人は街に入り、一夜の宿を探しながら、たくさんの道を通りました。知人や親戚の家に行き、断られ、ののしられました。もっとも謙遜な女王は、人混みの中を家から家へ、戸口から戸口へ、夫の後についてまわりました。

 人々の心も家も二人を締め出していると知っており、身重の自分を衆目にさらすのはもっと辛いことでしたが、夫に従い、この恥を忍ぶことを望みました。
 街をさすらいながら、人民登録の役所のところに出てきました。名前を登録し、献金しました。

 その後も家々を訪ねました。五十軒以上も回ったのに、全て無駄足に終わりました。聖マリアの忍耐と温和、それにひきかえ、人々の頑なな心に天使たちはあきれ返ってしまいました。

 追い払われ、心臓が破れそうになった悲しい聖ヨゼフが 妻の所に来たのは夜の九時でした。(*ベトレヘムについてから5時間経っているー管理人注)

「私の最も甘美なる貴婦人、私の心は悲しく、裂けそうです。御身を泊める所を探せず、厳しい天候から御身を守れません。疑いもなく、天は秘密を隠しています。ところで、市の城壁の外に洞穴があるのを思い出しました。羊飼いたちや羊たちのための避難所です。そこへ行ってみましょう。天は地が与えてくれなかった助けを与えるかもしれません。」

 最も思慮深い聖マリアは答えました、「私の御主人様、このような事態になったことを私の胎内にいる神に感謝して下さい。御身のおっしゃる所は私にとり最善と思われます。御身の悲しみの涙は喜びの涙に変わるでしょう。貧乏は私の至聖なる御子の計り知れない貴重な宝です。貧乏を抱きしめましょう。喜んで主の御導きになる所へ参りましょう。」

 聖なる天使たちは、道を明るく照らしました。城壁の外の洞穴は空になっていました。二人は主に感謝しました。
 
 。。。。

 王の中で最高の王、主の主が永遠の御子の生れるために選んだ所は、最も貧しい洞穴でした。どんな旅人でも考えつかなかった宿泊所ですが、謙遜と貧乏の先生である我らの救い主と御母にとって望まれた場所です。何もなく荒れ果て見すぼらしい所が光の最初の神殿となり(詩篇12・4)、輝く聖マリアの心から出る正義の太陽の家となりました。


「神の都市」甲斐睦興訳 (昇る旭日の聖母会監修・発行)
 130〜134ページより引用

にほんブログ村 哲学・思想ブログ カトリックへ
カトリックブログランキング- よろしければ、めでたしひとつと クリックひとつ お願いします。







タグクラウド